寒い時期も活躍する!?秋冬にこそ試したいオーニング・パラソルの使い道

2025.11.18
オーニング パラソル
オーニング・パラソル “省エネ設計” 実践ガイド

「秋冬はテラス席を閉鎖するのが当たり前」——そう考えていませんか? 日差しが低く眩しい西日、芯から冷える足もと。お客様の足が遠のくのも仕方ない、と諦めてしまうのは非常にもったいないことです。実は、少しの工夫で秋冬の屋外空間は「わざわざ選びたくなる特等席」に生まれ変わります。

本稿では、壁のない場所にも設置できる「自立型オーニング」を主役に、パラソルと屋外用ヒーターを効果的に組み合わせる方法を、すぐに試せるレイアウト案とともにご紹介。お客様の滞在時間を延ばし、冬の売上を支える空間づくりのヒントがここにあります。

自立型オーニング:リパーロ
オーニング+風よけカーテン

1.秋冬に起きやすい困りごと(現場のホンネ)

「せっかくのテラス席なのに…」多くの店舗様から聞こえてくる、秋冬ならではのリアルな悩み。それは、単に「寒い」「眩しい」だけではなく、お店の収益やブランドイメージにも関わる切実な問題です。

午後になると耐えられない「西日・逆光問題」

夏より低い角度から差し込む光は、お客様の目に直接突き刺さります。せっかくのコーヒータイムも、眩しさで顔をしかめていては台無しに。
結果、「あの席は避けたい」と敬遠され、席の稼働率が著しく低下してしまいます。

無風でも感じる「底冷え」がお客様の滞在時間を奪う

上着は着ていても、足もとからじんわりと冷えてくるのが屋外の現実。温かいドリンクもすぐに冷めてしまい、「そろそろ中に入ろうか」とお客様の滞在時間を縮める最大の原因になります。

夕暮れ時の「急な暗さ」が空間の価値を下げる

日没が早い季節は、16時を過ぎると急に寂しい雰囲気になりがちです。適切な照明がないと、せっかくの空間が「ただ暗くて寒い場所」になってしまい、お客様を不安な気持ちにさせてしまいます。

季節装飾との「悩ましい干渉」

クリスマスイルミネーションや季節のデコレーションを設置したいのに、オーニングやパラソルの可動域とぶつかってしまう。安全や動線を確保しながら、どうやって魅力的な演出をするかは、毎年の悩みの種です。

2. 最適解は「面の対策」と「点の対策」の組み合わせ

これらの問題を解決する鍵は、空間全体をカバーする「面」の対策と、ピンポイントで快適性を高める「点」の対策を組み合わせること。当社のラインナップなら、追加の壁工事なども不要で実現できます。

主役(面):自立型オーニング(例:リパーロ/リパーロE)

壁に固定しない自立型オーニングは、単なる日除けではありません。それは、屋外の好きな場所に“全天候型の快適な空間”を生み出すための、拡張性の高いベースフレームです。

大掛かりな壁面工事を必要とせず、まるでパーゴラを設置するように、自由な発想で空間を創り出せます。
リパーロの本当の強みは、その頑丈なフレームを活かした多彩なオプションにあります。特に秋冬シーズンには、その真価を発揮します。

寒さ対策
フレームに直接「屋外用ヒーター」を取り付ければ、空間全体が暖気に包まれます。
暗さ対策
リパーロの桁(けた)に直接取り付ける専用の「LED照明」を設置することで、日没後も空間を柔らかく照らし、暖かみのある上質な夜の雰囲気を演出できます。手元のコントローラでON/OFFはもちろん、明るさの調整も可能。屋外空間の安全性を高め、防犯効果も期待できます。

自立型オーニング:リパーロ+風よけカーテン
[LED照明例]

では、課題の一つである「秋冬の低い日差し」はどうするのか。上部のキャンバスだけでは、真横から差し込む西日や逆光は防げません。
ここが、プロの腕の見せ所です。 答えは、側面へのオプション追加にあります。


眩しさ対策
側面を「風よけパネル」「カーテン」、あるいは巻き上げ式の「サイドスクリーン」で囲う。これが、低い角度の日差しに対する最も直接的で効果的な解決策です。

自立型オーニング:リパーロ+風よけカーテン
[風よけカーテン例]

これらのオプションは日差しを物理的に遮るだけでなく、同時に冷たい風もシャットアウトしてくれるため、「眩しさ」「寒さ」を一度に解決できます。内部の暖房効率も格段に上がり、まさに快適な空間が完成するのです。

このように、リパーロ本体で「面」の快適空間を確保し、多彩なオプションで側面からの課題を解決する。この組み合わせこそが、秋冬の屋外空間を最大限に活用する鍵となります。

補助(点):大型パラソル(例:MIYABI/ステラ/ノバ)

オーニングでカバーしきれない特定の席や、時間帯によって日差しの角度が変わる場所には、大型パラソルが活躍します。まるで「移動できる木陰」のように、必要な場所にだけ快適なスポットをつくり出します。

さらに、パラソルは空間のアクセントとしても優秀。テラコッタやモカといった暖色系のキャンバスを選べば、視覚的にも暖かさを演出し、お客様を優しく迎え入れるアイキャッチになります。

ノバ施工例

保温(点):屋外用ヒーター(当社取扱製品)

どんなにおしゃれな空間でも、寒ければ長居はできません。ここで重要になるのが、屋外専用に設計されたヒーターです。

体の芯に届ける「天井・壁付け」タイプ(遠赤外線式)

HEATSTRIPHOTTOPなどの遠赤外線パネルヒーターは、風の影響を受けにくく、日光浴のようなじんわりとした暖かさで体の芯から温めます。天井や壁の高い位置から空間全体を包み込むように暖めるのが得意です。

遠赤外線電気ヒーター ヒートストリップ施工例

柔軟な配置で広範囲をカバーする「スタンド」タイプ

ぽかラクペガサスフェアリーなどは、必要な時に必要な場所へ移動できる手軽さが魅力。お客様の入り状況に合わせて柔軟に配置を変えたい場合に最適です。

赤外線ヒーター フェアリー施工例

「冷えは足もとから」を解決する専用ヒーター

サラマンダーストゥーファは、テーブルの下など低い位置から直接足もとを狙って暖めます。最も冷えを感じやすい部分を重点的にケアすることで、体感温度は劇的に改善します。

赤外線ヒーター ストゥーファ

3.【すぐ試せる】レイアウト別・最適構成のご提案

「理屈はわかったけど、うちの店ではどうすれば?」という方のために、具体的なレイアウト案をご用意しました。

(1)カフェ4卓・間口約6m(道路側に面した店舗)

構成 リパーロ×1、ぽかラク(スタンド型ヒーター)×2
この構成で
期待できる効果
これまで秋冬は活用しきれなかったテラス席が、「わざわざ座りたくなる」一番人気の特等席に変わります。西日を気にせず快適に過ごせることでお客様の滞在時間が延び、ドリンクやデザートの追加注文など、客単価アップにも繋がるでしょう。
構成の
ポイント
このレイアウトの鍵は、リパーロが創り出す上からの「囲い」と、2台のヒーターが創り出す側面からの「熱の壁」にあります。

まず、リパーロが天井の役割を果たし、上からの冷気を遮断すると同時に、空間全体に「守られている」という安心感(個室感)を生み出します。
しかし、それだけでは横から吹き込む冷たい空気で、お客様の足もとは冷えてしまいがちです。
そこで、通路の外側に置いた2台のヒーターの出番です。これらを少し内側、つまりお客様の席側に向けて角度をつけて配置することで、両サイドから中央に向かう「暖かい空気の層」が生まれます。
これが目には見えない熱の壁となり、リパーロ下の暖気を外に逃さず、同時に外からの冷気の侵入をブロックするのです。
この結果、単にヒーターが点在しているのではなく、空間全体が均一で質の高い暖かさに包まれる、まさに「特等席」が完成します。

屋外用暖房の効果範囲イメージ

(2)ピロティや半屋外の共用部(広い空間)

構成 リパーロ×連棟、HEATSTRIP(上部ヒーター)、サラマンダー(足もとヒーター)
この構成で
期待できる効果
ただの通路や殺風景な空間だった場所が、リゾートホテルのラウンジのような上質な雰囲気に一変します。柔らかな光に包まれた空間は、夜間の安全性向上はもちろん、待ち合わせや休憩、小規模なイベントなど、新たな活用価値を生み出すポテンシャルを秘めています。
構成の
ポイント
人は、上半身が暖かくても足もとが冷えていると「寒い」と感じてしまうものです。広い空間では、上からのヒーターだけでは暖かい空気が上昇し、地面に近い足もとエリアは温度が上がりにくくなります。
そこで、上からの遠赤外線ヒーターで空間全体をカバーしつつ、足もと専用ヒーターで補助する組み合わせが有効です。これにより、温度のムラがない極上の快適性を実現できます。

温度分布図 HOTTOP ホットトップ
「温度分布図 HOTTOP ホットトップ」

(3)物販店の待合・整列スペース(フレキシブルな運用)

構成 ノバ/ステラ(パラソル)×2、フェアリー(スタンド型ヒーター)
この構成で
期待できる効果
行列で待つお客様の身体的な負担やストレスを大幅に軽減できます。特に寒い日の屋外での待機は、ブランドイメージの低下にも繋がりかねません。快適な待機環境を提供することは、顧客満足度の向上と、「お客様を大切にする店」というポジティブな印象を育むことに直結します。
構成の
ポイント
待機列のように、長さや場所が日々変動する空間では、固定式の大きな設備はかえって運用を縛ってしまうことがあります。
この「パラソル+スタンドヒーター」という身軽な組み合わせの真価は、“変化への即応力”にあります。
例えば、「今日は行列が短いから、お客様のすぐそばにヒーターを1台だけ置こう」「午後の西日が強くなってきたから、パラソルの位置を少しずらして日陰をつくろう」といった、現場での細やかな判断が、専門のスタッフでなくてもすぐに実行できます。

温度分布図 HOTTOP ホットトップ
「温度分布図 赤外線ヒーター フェアリー」

また、クリスマスなどの季節装飾を設置する際も、一時的に設備を移動・撤去できるため、レイアウトの自由度を損ないません。常に「お客様がいる場所」を最優先し、必要な時に、必要な分だけ快適な環境を創り出す。この柔軟性の高さこそが、お客様へのきめ細やかな配慮と、スムーズな店舗運営を両立させる鍵となります。

4. 安心して長くお使いいただくために〜導入前に確認したいこと・運用で守りたいこと〜

新しい設備を導入するとき、期待と同じくらい「安全に運用できるだろうか」という不安がよぎるものです。でも、ご安心ください。いくつかのポイントを事前に確認し、日々のルールを決めておくだけで、その不安は自信に変わります。お客様とスタッフの安全、そして大切な製品を守るために、ぜひ一緒に確認していきましょう。

プランニングで失敗しないための5つのチェックポイント

設計やプランニングの段階で、以下の点を確認しておくと、設置後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐことができます。

日差しの角度と時間帯
特に日差しが低くなる午後の時間帯に、お客様の席から見て眩しくないか、現地で確認できていますか?
周辺設備とのクリアランス
お店の看板や照明、植栽など、既存の設備と製品が接触しない十分な空間が確保できていますか?
無理のない電源計画
使用したいヒーターの数と容量に対して、電源は十分に足りていますか?屋外用の防水コンセントの準備は万全ですか?
スムーズで安全な動線
お客様やスタッフが快適に通行できる幅は確保できていますか?また、万が一の際の避難経路を塞いでいませんか?
関連法規や施設ルール
ガスヒーターの使用に関する地域の条例や、商業施設全体のルールなど、クリアすべき条件を事前に確認済みですか?

日々の安全と製品を長持ちさせる運用の習慣

日々の少しの心がけが、大きな安心に繋がります。

天候への配慮:「早めの収納」を合言葉に


取扱説明書には耐えられる風速などの基準が記載されていますが、安全は何よりも優先です。天気予報を確認し、少しでも風が強くなりそう、雨や雪が降りそうと感じたら、「基準を待たずに早めに収納する」ことを現場のルールにしましょう。これが、製品とお客様を守る最も簡単で確実な方法です。

ヒーターの安全:「距離」と「環境」を再確認


屋外用ヒーターは、その熱が届く範囲に燃えやすいものがないか、常に注意が必要です。特に、お客様が使われるブランケットやメニュー、装飾品などが近づきすぎていないか、営業開始前と巡回時に確認する習慣をつけましょう。
ガス機器をご利用の場合は、転倒防止策がとられているか、周囲の換気は十分かを改めて確認してください。専門の販売店から受けた指示は、必ず守るよう徹底しましょう。

これらのチェック項目や運用ルールは、一見すると少し手間に感じるかもしれません。
しかし、これらはすべて、お客様とスタッフの安全、そして大切な製品を末永く守るためのものです。ご不明な点や、「自社の場合はどうだろう?」と迷うことがあれば、それこそが私たちの出番です。計画段階から、ぜひお気軽にご相談ください。


お問い合わせはこちら



関連記事

資料ダウンロード
今すぐ読む
お役立ち情報 配信中
無料メルマガ登録
お問い合わせ・資料請求・見積依頼
お問い合わせフォーム
タカノ株式会社 エクステリア部門 Twitter タカノ株式会社 エクステリア部門 facebook タカノ株式会社 エクステリア部門 youtube タカノ株式会社 エクステリア部門 instagram タカノ株式会社 エクステリア部門 pinterest