「秋冬はテラス席を閉鎖するのが当たり前」——そう考えていませんか? 日差しが低く眩しい西日、芯から冷える足もと。お客様の足が遠のくのも仕方ない、と諦めてしまうのは非常にもったいないことです。実は、少しの工夫で秋冬の屋外空間は「わざわざ選びたくなる特等席」に生まれ変わります。
本稿では、壁のない場所にも設置できる「自立型オーニング」を主役に、パラソルと屋外用ヒーターを効果的に組み合わせる方法を、すぐに試せるレイアウト案とともにご紹介。お客様の滞在時間を延ばし、冬の売上を支える空間づくりのヒントがここにあります。
「せっかくのテラス席なのに…」多くの店舗様から聞こえてくる、秋冬ならではのリアルな悩み。それは、単に「寒い」「眩しい」だけではなく、お店の収益やブランドイメージにも関わる切実な問題です。
夏より低い角度から差し込む光は、お客様の目に直接突き刺さります。せっかくのコーヒータイムも、眩しさで顔をしかめていては台無しに。
結果、「あの席は避けたい」と敬遠され、席の稼働率が著しく低下してしまいます。
上着は着ていても、足もとからじんわりと冷えてくるのが屋外の現実。温かいドリンクもすぐに冷めてしまい、「そろそろ中に入ろうか」とお客様の滞在時間を縮める最大の原因になります。
日没が早い季節は、16時を過ぎると急に寂しい雰囲気になりがちです。適切な照明がないと、せっかくの空間が「ただ暗くて寒い場所」になってしまい、お客様を不安な気持ちにさせてしまいます。
クリスマスイルミネーションや季節のデコレーションを設置したいのに、オーニングやパラソルの可動域とぶつかってしまう。安全や動線を確保しながら、どうやって魅力的な演出をするかは、毎年の悩みの種です。
これらの問題を解決する鍵は、空間全体をカバーする「面」の対策と、ピンポイントで快適性を高める「点」の対策を組み合わせること。当社のラインナップなら、追加の壁工事なども不要で実現できます。
壁に固定しない自立型オーニングは、単なる日除けではありません。それは、屋外の好きな場所に“全天候型の快適な空間”を生み出すための、拡張性の高いベースフレームです。
大掛かりな壁面工事を必要とせず、まるでパーゴラを設置するように、自由な発想で空間を創り出せます。
リパーロの本当の強みは、その頑丈なフレームを活かした多彩なオプションにあります。特に秋冬シーズンには、その真価を発揮します。
これらのオプションは日差しを物理的に遮るだけでなく、同時に冷たい風もシャットアウトしてくれるため、「眩しさ」と「寒さ」を一度に解決できます。内部の暖房効率も格段に上がり、まさに快適な空間が完成するのです。
このように、リパーロ本体で「面」の快適空間を確保し、多彩なオプションで側面からの課題を解決する。この組み合わせこそが、秋冬の屋外空間を最大限に活用する鍵となります。
オーニングでカバーしきれない特定の席や、時間帯によって日差しの角度が変わる場所には、大型パラソルが活躍します。まるで「移動できる木陰」のように、必要な場所にだけ快適なスポットをつくり出します。
さらに、パラソルは空間のアクセントとしても優秀。テラコッタやモカといった暖色系のキャンバスを選べば、視覚的にも暖かさを演出し、お客様を優しく迎え入れるアイキャッチになります。
どんなにおしゃれな空間でも、寒ければ長居はできません。ここで重要になるのが、屋外専用に設計されたヒーターです。
HEATSTRIP/HOTTOPなどの遠赤外線パネルヒーターは、風の影響を受けにくく、日光浴のようなじんわりとした暖かさで体の芯から温めます。天井や壁の高い位置から空間全体を包み込むように暖めるのが得意です。
ぽかラク/ペガサス/フェアリーなどは、必要な時に必要な場所へ移動できる手軽さが魅力。お客様の入り状況に合わせて柔軟に配置を変えたい場合に最適です。
サラマンダー/ストゥーファは、テーブルの下など低い位置から直接足もとを狙って暖めます。最も冷えを感じやすい部分を重点的にケアすることで、体感温度は劇的に改善します。
「理屈はわかったけど、うちの店ではどうすれば?」という方のために、具体的なレイアウト案をご用意しました。
| 構成 | リパーロ×1、ぽかラク(スタンド型ヒーター)×2 |
|---|---|
| この構成で 期待できる効果 |
これまで秋冬は活用しきれなかったテラス席が、「わざわざ座りたくなる」一番人気の特等席に変わります。西日を気にせず快適に過ごせることでお客様の滞在時間が延び、ドリンクやデザートの追加注文など、客単価アップにも繋がるでしょう。 |
| 構成の ポイント |
このレイアウトの鍵は、リパーロが創り出す上からの「囲い」と、2台のヒーターが創り出す側面からの「熱の壁」にあります。 |
まず、リパーロが天井の役割を果たし、上からの冷気を遮断すると同時に、空間全体に「守られている」という安心感(個室感)を生み出します。
しかし、それだけでは横から吹き込む冷たい空気で、お客様の足もとは冷えてしまいがちです。
そこで、通路の外側に置いた2台のヒーターの出番です。これらを少し内側、つまりお客様の席側に向けて角度をつけて配置することで、両サイドから中央に向かう「暖かい空気の層」が生まれます。
これが目には見えない熱の壁となり、リパーロ下の暖気を外に逃さず、同時に外からの冷気の侵入をブロックするのです。
この結果、単にヒーターが点在しているのではなく、空間全体が均一で質の高い暖かさに包まれる、まさに「特等席」が完成します。
| 構成 | リパーロ×連棟、HEATSTRIP(上部ヒーター)、サラマンダー(足もとヒーター) |
|---|---|
| この構成で 期待できる効果 |
ただの通路や殺風景な空間だった場所が、リゾートホテルのラウンジのような上質な雰囲気に一変します。柔らかな光に包まれた空間は、夜間の安全性向上はもちろん、待ち合わせや休憩、小規模なイベントなど、新たな活用価値を生み出すポテンシャルを秘めています。 |
| 構成の ポイント |
人は、上半身が暖かくても足もとが冷えていると「寒い」と感じてしまうものです。広い空間では、上からのヒーターだけでは暖かい空気が上昇し、地面に近い足もとエリアは温度が上がりにくくなります。 そこで、上からの遠赤外線ヒーターで空間全体をカバーしつつ、足もと専用ヒーターで補助する組み合わせが有効です。これにより、温度のムラがない極上の快適性を実現できます。 |

「温度分布図 HOTTOP ホットトップ」
| 構成 | ノバ/ステラ(パラソル)×2、フェアリー(スタンド型ヒーター) |
|---|---|
| この構成で 期待できる効果 |
行列で待つお客様の身体的な負担やストレスを大幅に軽減できます。特に寒い日の屋外での待機は、ブランドイメージの低下にも繋がりかねません。快適な待機環境を提供することは、顧客満足度の向上と、「お客様を大切にする店」というポジティブな印象を育むことに直結します。 |
| 構成の ポイント |
待機列のように、長さや場所が日々変動する空間では、固定式の大きな設備はかえって運用を縛ってしまうことがあります。 この「パラソル+スタンドヒーター」という身軽な組み合わせの真価は、“変化への即応力”にあります。 例えば、「今日は行列が短いから、お客様のすぐそばにヒーターを1台だけ置こう」「午後の西日が強くなってきたから、パラソルの位置を少しずらして日陰をつくろう」といった、現場での細やかな判断が、専門のスタッフでなくてもすぐに実行できます。 |

「温度分布図 赤外線ヒーター フェアリー」
また、クリスマスなどの季節装飾を設置する際も、一時的に設備を移動・撤去できるため、レイアウトの自由度を損ないません。常に「お客様がいる場所」を最優先し、必要な時に、必要な分だけ快適な環境を創り出す。この柔軟性の高さこそが、お客様へのきめ細やかな配慮と、スムーズな店舗運営を両立させる鍵となります。
新しい設備を導入するとき、期待と同じくらい「安全に運用できるだろうか」という不安がよぎるものです。でも、ご安心ください。いくつかのポイントを事前に確認し、日々のルールを決めておくだけで、その不安は自信に変わります。お客様とスタッフの安全、そして大切な製品を守るために、ぜひ一緒に確認していきましょう。
設計やプランニングの段階で、以下の点を確認しておくと、設置後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐことができます。
日々の少しの心がけが、大きな安心に繋がります。