台風による強風や豪雨下でオーニングやパラソルを広げたままにするのは大変危険です。製品の耐久性を高めても、「暴風発生時は速やかに畳む・収納する」ことが、お客様の大切な財産や周囲の安全を守るための大前提となります。
本ガイドでは、オーニングやパラソルの安全な運用と被害防止のため、以下の3つのポイントに絞って解説します。
【1】製品選定時に見るべき「収納しやすさと耐久性」
【2】被害を防ぐ収納・運用のチェックポイント
【3】収納後の保護策とメンテナンス
オーニングやパラソルは、風の影響を受けやすい製品です。特に台風接近時は、早めの対策が重要。気象情報に注意し、以下の風速目安で速やかに対応しましょう。
風速目安 | 運用アクション |
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5m/s以上 の強風予報 | 早めにキャンバスを畳み、ロープなどで固定する準備を開始しましょう。 |
8m/s以上(旗がはためき始める) | すべてのオーニング・パラソルの収納を完了させてください。 ・自立型はウェイトを追加、または固定を強化 ・移動式は屋内に退避 |
暴風警報・台風接近 | 全ての製品を畳み、屋内保管が基本です。 畳めない大型・自立型は、柱を建物構造体へチェーンなどで緊結し、最大級の固定を施してください。 |
風の強さ(予報用語) | 平均風速(m/s) | おおよその時速 | 速さの目安 | 人への影響 | 屋外・樹木の様子 | 走行中の車 | 建造物 | おおよその瞬間風速(m/s) |
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やや強い風 | 10以上15未満 | ~50km | 一般道路の自動車 | 風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。 | 樹木全体が揺れ始める。電線が揺れ始める。 | 道路の吹流しの角度が水平になり、高速道路中では横風に流される感覚を受ける。 | 樋(とい)が揺れ始める。 | 20 |
強い風 | 15以上20未満 | ~70km | — | 風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出る。高所での作業はきわめて危険。 | 電線が鳴り始める。看板やトタン板が外れ始める。 | 高速道路中では、横風に流される感覚が大きくなる。 | 屋根瓦、屋根葺材がはがれるものがある。雨戸やシャッターが揺れる。 | 30 |
非常に強い風(1) | 20以上25未満 | ~90km | 高速道路の自動車 | 何かにつかまっていないと立っていられない。飛来物によって負傷するおそれがある。 | 細い木の幹が折れたり、根の張っていない木が倒れ始める。看板が落下・飛散する。道路標識が傾く。 | 通常の速度で運転するのが困難になる。 | 屋根瓦・屋根葺材が飛散するものがある。固定されていないプレハブ小屋が移動・転倒する。ビニールハウスのフィルム(被覆材)が広範囲に破れる。 | 35 |
非常に強い風(2) | 25以上30未満 | ~110km | — | — | 固定の不十分な金属屋根の葺材がめくれる。養生の不十分な仮設足場が崩壊する。 | — | — | 40 |
猛烈な風(1) | 30以上35未満 | ~125km | 特急電車 | 屋外での行動は極めて危険。 | 多くの樹木が倒れる。電柱や街灯で倒れるものがある。ブロック塀で倒壊するものがある。 | 走行中のトラックが横転する。 | 外装材が広範囲にわたって飛散し、下地材が露出するものがある。 | 50 |
猛烈な風(2) | 35以上40未満 | ~140km | — | — | — | — | — | 60 |
猛烈な風(3) | 40以上 | 140km~ | — | — | — | — | 住宅で倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある。 | — |
(注1) |
強風によって災害が起こるおそれのあるときは強風注意報を、暴風によって重大な災害が発生するおそれが著しく大きいときは暴風警報等を発表して警戒を呼びかけます。 なお、警報や注意報の基準は地域によって異なります。 |
(注2) | 平均風速は10分間の平均、瞬間風速は3秒間の平均です。風の吹き方は地形や建物の影響により大きく変わるため、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いですが、気象の状況が不安定な場合等は3倍以上になることもあります。 |
(注3) |
この表を使用される際は、以下の点にご注意下さい。
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毎回の収納作業をスムーズに行えるかどうかが、安全運用を継続するカギとなります。製品選定の際には、以下の「収納しやすさ」も重要な評価軸としてご検討ください。
製品の特長
製品の特長
製品の特長
いざという時に慌てないために、事前の準備が重要です。このチェックリストを活用し、確実に収納・撤去作業を行いましょう。
※本リストを印刷してご活用ください。
安全な運用だけでなく、製品を長くご愛用いただくための保護・メンテナンスも重要です。
オーニングやパラソルは、晴天時に快適な日陰や空間を提供する素晴らしい設備です。しかし、台風や暴風雨の際は、「畳む・収納する」ことを徹底し、製品の破損や飛散、そしてそれによる二次被害を確実に防ぐことが何よりも重要です。
お客様の設置状況に合わせた具体的な収納方法や追加ウェイト量など、ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが安全運用のサポートをさせていただきます。
また、実際にオーニングやパラソルが見られる展示場が、東京都と長野県にございます。 ぜひ、実物をお確かめください。ご来場お待ちしております。