断熱効果で冷房費を抑える!オーニング・パラソル “省エネ設計” 実践ガイド

2025.10.09
オーニング 暑さ対策・紫外線対策 補助金 パラソル 設置事例
オーニング・パラソル “省エネ設計” 実践ガイド

電気料金の高騰や脱炭素の潮流を受け、店舗やオフィスでは「いかに冷房費を抑えながら快適な空間を維持するか」が喫緊の課題になっています。

窓から射し込む日射熱を遮る――

そんなシンプルな視点で大きな省エネ効果を生むのが、オーニングとパラソルです。
このコラムではタカノ製品を中心に、断熱メカニズムから冷房費削減の根拠、導入事例、設計チェックリストまでを網羅し、今すぐ使える“省エネ設計”の実践ポイントをお届けします。

1.省エネ課題とオーニングの断熱メカニズム

建築物の外皮を通して流入する日射熱は、夏場の冷房負荷を大きく左右します。オーニングは 「外で日射を止める」ことで、室内に熱を入れない“外断熱”を実現する点が最大の特長です。

ジェノバ(壁付型)施工例
[写真]:個人宅施工例

角度・出幅を自在に調整

季節や時間帯によって変わる太陽高度に合わせてキャンバス角度を変えられるため、真夏の高角度日射をしっかりカットしつつ、冬は柔らかな光を取り込むことが可能です。

キャンバス素材の高性能

アクリル原着生地「テンポテスト」は UVカット90%以上、撥水・耐候性能にも優れるため、遮熱と生地寿命を両立します。


オーニング キャンバスカラーセレクション

外断熱ならではの省エネ効果

ブラインドなどの“内側遮蔽”と異なり、熱自体を窓の外で止めるため、冷房機の負荷を大幅に低減できます。実際に公開データでは冷房費を約3分の1に圧縮できると示されています。

『涼しい街』へスイッチ! -暑さ・熱中症対策のポイント-
熱中症対策には日差しを遮ったり、地面が熱くならないような工夫を行い、人が感じる暑さ=体感温度を調節するのが効果的です

ジェノバ(壁付型)施工例

2.体感温度を約 7 ℃下げ、冷房費を3分の1に抑えるしくみ

2-1 体感温度が下がる理由

屋外で感じる暑さは「気温」だけでなく、

要因 内容 オーニングの働き
直射日光 皮膚に当たる短波放射 キャンバスが屋外でカット
照り返し 路面・外壁が再放射する長波放射 路面や壁の昇温を抑制

この2つを合わせた“輻射熱”が大きく影響します。オーニングは直射日光を受け止めながら路面の温度上昇も防ぐため、実効温度(体感温度)が約5〜7℃低減します。

ジェノバ(自立型)施工例

2-2 冷房費が約67%削減される理由

1.外付け遮蔽

ガラス面に届く前に太陽熱を止めるため、室内に熱を持ち込まない。

2.空調負荷の低減

窓から入る日射取得熱を約70%削減すると、冷房エネルギーは比例して減少。

3.電気代換算

戸建てリビング(窓20m2)で1日2kWh、月あたり約1,200円※の削減。
※電力単価31円/kWh、冷房10時間/日、COP3相当で試算。窓面積・方位・ガラス仕様により効果は変動します。

参考リンク
日本オーニング協会「体感温度を7℃下げる日よけの効果」(PDF)
日本オーニング協会「オーニングでエコ(稼働率33%)」

3.導入事例――カフェ&オープンスペースでの活用

駒ヶ根ファームス(長野県 駒ヶ根市)

採用製品: 自立型オーニング リパーロ、大型パラソル ステラ
目的: 施設利用者がソフトクリームを味わうテラスに、日よけ・雨よけを兼ねた休憩スペースを確保
採用理由: 自社展示場「ルビーの里 エクステリアガーデン」で製品を実機確認できた安心感
併設の〈南信州ビール〉テラスにも同型を導入済みで、景観統一が図れた点

カフェ&オープンスペース施工例

施工例紹介

Bakery&Table 東府や 足湯カフェ(静岡県 伊豆市)

採用製品: 大型パラソル〈MIYABI〉(伝統色2カラー)
目的: 足湯テラスの和風庭園に調和する日陰空間を創出し、藤の開花シーズンに合わせて景観を演出
提案ポイント: 直径3.5mの八角形フォルムと、伝統色「紅藤」「利休白茶」のツートーンで“和の奥行き”を演出します。
可動式なので藤棚の開花時期だけ張り出し、オフシーズンは収納して空を切り取る景観に切替えることもできます。

カフェ&オープンスペース施工例

施工例紹介

4.設計・リフォーム時のチェックリスト

「あとでやり直し」が利きにくい項目を先回りで押さえておくと、施工後の満足度がぐっと高まります。現場打ち合わせや図面作成の際に、次の10項目を順に確認してみてください。

# チェックポイント ポイントの意味 行動例
1 日差しの角度と張り出す長さ 夏は強い直射日光を止め、冬は日向ぼっこができる長さがベスト。 窓の方角ごとに「夏・冬の影」を簡易シミュレーションする。
2 取付けの高さ 人が頭をぶつけず、景色もさえぎらない高さを確保。 窓上の下地を確認し、床から2.3m以上あけることが多い。
3 取付下地強度の確認 取付ける下地があるか確認してもらう。 設計・施工会社に「下地の位置や大きさ等の確認」を依頼
4 電源とスイッチ位置 電動タイプの場合、あとから配線を引くと大変。 窓の上部に100V専用コンセントとスイッチ用の配線を先に用意。
5 雨水の流れ 先端から落ちる雨で通行人が濡れないようにする。 キャンバス先端に小さな雨樋を付け、床を排水溝へ流れるように勾配を付ける。
6 生地選び 影の濃さ・防水・防炎マークなど、場所に合った布を選ぶ。 カフェの看板兼用なら「原着アクリル+防汚コート」が人気。
7 色と周りの景観 外壁・花壇と合わない色だと"あと付け感"が出やすい。 写真にCG合成して、色バランスを事前に確認。
8 操作と安全 手動か電動か、風が強いときは自動で収納するかを決める。 風力センサー設定はメーカー推奨値(例:瞬間6m/s)を採用。
9 補助金・道路占用許可 工事費を抑えたり、公道側へ張り出す場合の手続きを把握。 着工前に自治体の「省エネ補助金」や「ほこみち制度」を確認。
10 お手入れと交換時期 長く使うには軽い掃除と点検が大事。生地は消耗品。 月1回水拭き、年1回ビス増し締め。生地交換は5~7年目安。

(ポイント)
構造安全・気候条件・運用性の3層でチェックすると漏れがありません。
不確定要素(補助金枠、占用許可期間など)は「設計段階で一次調査→着工前に確定」が鉄則です。
次章では、導入効果を最大化する 運用とメンテナンスのコツ をまとめます。

5.まとめ――“外で防ぐ”が最短の省エネ

■太陽熱は “入ってから” ではなく “入る前” に止めるのが王道。
オーニングや大型パラソルで窓の外に日陰をつくれば、
・体感温度は約7℃ダウン
・冷房費は最大約3分の1
――という、数字で見える効果が得られます。

■快適性とデザイン性の両立もポイント。
カラーや形状を外壁や植栽とコーディネートすると “後付け感ゼロ” に。休憩スペースやSNS映えスポットとして、集客力アップにもつながります。

■設計段階での10のチェック項目(日射角・風荷重・電源・補助金など)を押さえておけば、後からの手戻りはほぼゼロ。

■導入後は「月1回の水拭き+年1回のボルト点検」だけ。
キャンバス交換も 5〜7 年が目安で、ランニングコストは想像以上にシンプルです。

最後に――
“外で防ぐ” は最短距離の省エネ術。

店舗の売上アップや住まいの電気代カットを狙うなら、まずは日よけ計画から始めてみませんか。

詳しい製品ラインアップや展示場の実機体験は、タカノ〈ルビーの里 エクステリアガーデン〉でいつでもご覧いただけます。お気軽にご相談ください。


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また、実際にオーニングやパラソルが見られる展示場が、東京都と長野県にございます。 ぜひ、実物をお確かめください。ご来場お待ちしております。


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