オーニングに最適なキャンバス生地の選び方 ―おすすめの種類や性能の違いは?―

2024.05.08
オーニング 暑さ対策・紫外線対策 パラソル 設置事例

オーニングやパラソルの導入を考え始めたけれど、意外と迷うのが生地選び。
キャンバス生地によってデザインや印象が大きく変わりますが、
「どのキャンバス生地を選べばいいのかわからない」
「そもそも、どんな種類の製品、色や違いがあるのかわからない」という方も多いでしょう。
オーニング・パラソルに使われるキャンバス生地は、それぞれ独自の特性をもち、その用途や性能は様々です。
その中から設置場所の条件にピッタリ合うキャンバス生地を選ぶのは簡単ではありません。

タカノでは、国内外の厳選したキャンバス生地メーカーの生地を取り扱っており、この記事ではその中から「帝人フロンティア株式会社」と「セルジュ・フェラーリ社」の製品を具体例としてご紹介します。
また、ご自身のニーズに最適なキャンバス生地を選ぶためのポイントについてもご紹介します。

※各社の生地の表現に合わせ、帝人フロンティア社は「テント生地」、セルジュ・フェラーリ社は「キャンバス生地」を表記しておりますが、タカノのオーニング・パラソルにはどちらの生地も同様に選択いただけます。

日よけ・雨よけのオーニング・パラソル:キャンバス生地の選び方について

帝人フロンティア株式会社のテント生地-特長と施工例-

帝人フロンティア社は革新的なテント生地の開発で高い評価を得ています。
ここでは、帝人フロンティア社の生地4種類、「ニューパスティ」「シャガール」「美妙-BIMYO-」「トゥギャザーII」の特長と施工例をご紹介します。
これらの生地はそれぞれ、防汚性・撥水性・防炎性などの優れた機能性があります。

キャンバス生地 1 【ニューパスティ】

オーニング・パラソル キャンバス生地:ニューパスティ

ポリエステル基布(下地となる布)に塩化ビニール樹脂を被膜した帝人フロンティア社で最もポピュラーなテント生地です。
防汚性、耐水性に優れた生地で、生地内部への浸水を防ぐため、ポリエステル繊維に吸水防止処理を施しています。
また、火災発生の配慮として必要とされている防炎製品認定を取得しているため、商業施設や公共施設など人が多く集まる場所でも安心してご使用いただけます。
カラーバリエーションも多く、単色無地で43色を取り扱っております。

キャンバス生地 2 【シャガール】

オーニング・パラソル キャンバス生地:シャガール

風合いを重視する方にはコットン調の質感が特長の「シャガール」がおすすめです。
こちらはニューパスティとは異なり、塩化ビニールを用いず生地本来の風合いを生かしたコットン調のテント生地です。風合いを重視しながらも耐水性を保つための加工を施し、ニューパスティ同様防炎製品の認定を取得しています。
また、生地を後から染めるのではなく糸になる前の原材料自体に着色しているため、日光による色あせが少ないというのも特長の一つです。
さらに、シャガールは使用済みのペットボトルを再利用した再生ポリエステル繊維を用いた環境配慮のサステナブルな素材です。
カラー展開も豊富でタカノでは単色無地25色を取り扱っております。

キャンバス生地 3 【美妙-BIMYO-】

オーニング・パラソル キャンバス生地:美妙

「何とも言えないほど美しい」という言葉を語源とした「美妙」は、メッシュでありながらストライプ状のラインがデザインされた和風のテント生地です。
カラーも日本の和をイメージしたカラー展開となっており、こちらも防炎製品認定を取得しています。
メッシュタイプなので強い雨が降ると下に水が漏れる構造となっていますが、その分多くの明るさを取り入れ、風も通すため、日よけをしながらもその環境の雰囲気を活かせる生地です。
光を取り入れるものの、 紫外線は充分カットし、さらに遮熱加工を施してあるため、同色の遮熱加工を施して無いタイプのものと比較して、赤外線と日射の反射率が高く、遮熱性が高い点も特長です。

【遮熱性能データ】

遮熱加工 赤外線反射率(%) 日射反射率(%)
綿 なし 74.5 74.1
あり 82.1 78.6
なし 41.0 37.9
あり 70.4 58.7
なし 38.2 34.8
あり 50.8 39.8
なし 9.9 8.6
あり 44.4 26.1
なし 11 9.8
あり 42.4 26.1
なし 19.5 12.4
あり 42.5 23.6
なし 5.7 5.5
あり 36.1 20.6
※数値が高い方が効果がある

図の通り、白のような淡い色味と黒のような濃い色味を単純比較すると。淡い色味の方がもともと遮熱効果が高くなっています。同じ色同士で比較すると、遮熱加工された生地の性能が高まっていることがわかります。

キャンバス生地 4 【トゥギャザーII】

「トゥギャザーII」には大きな特長が2つあります。
1つ目は、「美妙」と同じく遮熱性が高い点です。
帝人フロンティア社が、「ニューパスティ」の近しい色と遮熱性の比較測定を行った結果がこちらです。

オーニング・パラソル キャンバス生地:トゥギャザーII
※測定方法:レフランプ照射機を用いて上昇温度を測定。同色(オフホワイト)にて比較。
※遮熱性は実際に屋外に設置される日よけの形状及び環境による影響に左右されます。

照射後15分で内部温度に約5℃の差が生じました。
この結果からわかるとおり、色が似ていても、生地によって遮熱性能に差が生じます。

特長の2つ目は、生地が塩化ビニールタイプでありながら、特殊加工により裏面がコットン調で布目のような風合いである点です。この加工により、高級感を演出します。
また、ニューパスティと同等の耐水性を有し、こちらも防炎製品認定を取得しています。
カラーは12色を展開しています。

セルジュ・フェラーリ社のキャンバス生地-特長と施工例-

セルジュ・フェラーリ社はフランスに本社と製造工場を置くグローバルな生地メーカーです。
主にスタジアムの屋根といった膜構造建築、テント倉庫やグランピング、オーニングやロールスクリーンなどの日除け製品、アウトドア家具やクルーザー向け製品など、幅広い用途での膜材の設計・開発・製造を行っています。
また、その優れた技術力と美しさから国際的な評価を得ています。

タカノでは、同社製のキャンバス生地「プレコントラン 502」と「ソルティス 86」の2種類を取り扱っています。
これらの生地は「プレコントランテクノロジー」という国際特許を取得した特殊製造技術によって作られています。


「プレコントランテクノロジー」で製造された生地の特長
① 生地がたるみにくく風によるバタつきを軽減できる
② 生地が伸びづらいため、雨や雪のポケットが作られにくく荷重負担を軽減できる
③ コーティング層を厚くできるため生地が劣化しにくく、製品寿命の向上が期待できる

プレコントランテクノロジーで
作られた生地
他社製品
オーニング生地:プレコントランの場合
コーディング層が厚く、生地が伸びにくい
オーニング生地:その他の製品の場合

画像提供 セルジュ・フェラーリ社


続いて、セルジュ・フェラーリ社製キャンバス生地、「プレコントラン 502」と「ソルティス 86」の特長と施工例をご紹介します。

キャンバス生地 5 【プレコントラン 502】

オーニング・パラソル キャンバス生地:プレコントラン 502

「プレコントラン 502」はスタジアム建築などでも使用されるPVDF(2フッ化ポリビニリデン樹脂)によるトップコート加工で撥水性が高く、また、プレコントランテクノロジーによる平滑性により、生地表面の摩擦係数を約 40%軽減でき、雨や雪などが滑りやすくなっています。
その結果、製品の張力の安定やダメージの軽減にもつながり、耐久性が高く、汚れも落ちやすいという特長があります。

また、ヨーロッパ製品ならではの明るいカラーバリエーションも特長で、国内では現在30色展開しています。

キャンバス生地 6 【ソルティス86】

オーニング・パラソル キャンバス生地:ソルティス86

「ソルティス86」は、開口率14%のメッシュタイプになっており、日よけをしつつも明るい空間にしたいという場所におすすめです。
また、光を取り入れながらも、紫外線や日射はカバーして室内気温の上昇をおさえます。
近年はこのようなメッシュ系の製品の人気が高まっています。

キャンバスカラーは国内では現在15色展開しています。

まとめ

ご紹介した生地の特長とおすすめの施設・設置場所をまとめると、以下の通りとなります。

【テント生地・キャンバス生地性能比較表】


帝人フロンティア社製 セルジュ・フェラーリ社製
ニューパスティ シャガール 美妙(BIMYO) トゥギャザーII ソルティス86 プレコントラン502
UVカット
遮熱性


防汚性

撥水性

防炎
色数 43色 25色 7色 12色 15色 30色
風合い 塩化ビニール製の布目調素材 色あせしにくいコットン調の風合い ストライプ調のメッシュ生地 塩ビ素材×裏面コットン調で高級感がある 開放感のあるメッシュファブリック サテン調仕上げ
国際特許を取得した耐久性とUVB100%カットも特長
生地材質 ポリエステル
+塩化ビニル樹脂
再生ポリエステル ポリエステル
+塩化ビニル樹脂
ポリエステル
+塩化ビニル樹脂
ポリエステル
+塩化ビニル樹脂
ポリエステル
+塩化ビニル樹脂
おすすめの
施設
防炎製品認定を取得しているため、商業施設や公共施設など人が多く集まる場所にもおすすめ 光沢が少なく落ち着いた雰囲気を演出するため、子どもの遊び場やカフェテラスにもおすすめ 日本家屋やアジアンテイストの店舗におすすめ 遮熱効果に優れているため、炎天下でも長時間使用する場所には特におすすめ 紫外線や日射をカットしつつも、眺望性を求めたいときや、明るい空間にしたい場所におすすめ ホテルやレストランのテラス席など、ゆったりとした時間を過ごしたい場所に高級感を演出します

生地の風合いや透け感などは実際に体感して比較していただくことができます。
オーニングやパラソルの機種によっては、使用できない生地もありますので、ご相談ください。
ホームページより、生地のサンプル請求、パラソル・オーニング製品のカタログ請求・ダウンロードをしていただけますので、お気軽にお問い合わせください。




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また、実際にキャンバス生地がオーニングに使用されている様子が見られる展示場が、東京都と長野県にございます。
ぜひ、実物をお確かめください。ご来場お待ちしております。



オーニング・パラソル キャンバス生地のハギレで作られたルビーバッグ

タカノでは、オーニング・パラソルの製造工程で端切れとして発生する、丈夫で撥水性のあるキャンバス生地を活用した「ルビーバッグ」、ランチョンマットなどを製造販売しております。
こちらは長野県のオーニング展示場「ルビーの里」内の店舗でご覧いただけるほか、
ルビーバッグはオンラインショップでも販売しております。
独特な柄や色の組み合わせが面白いオリジナルのトートバッグをご覧ください。

設置場所のニーズに最適な生地を選ぶことで、オーニングは日よけ以上の価値を提供します。ぜひ優れた生地選びで、エクステリア空間をより快適で価値あるものにしてください。
こちらのコラムが生地選びの一助となれば幸いです。

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